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3月のワイン

3月のワイン

寒い毎日が続きますが、みなさま、お元気ですか?私はやっと仕事の山を超え、少しのんびりする時間ができました。先日は久しぶりにある映画を娘たちと見に行って、帰りにハンバーガーを食べながら、映画についてのお話をしました。小さなときは面倒をみるばかりだったけど、今はいろんなことで助けてもらい、そしてたくさんの学びをもらっています。映画や美術館に行っても、とても楽しいのが私が気が付かなかったことに、たくさん気づいてくれることです。まずは「映画はつまらなかった」というポイントで全員一致の意見だったのですが(笑)、なぜ素晴らしい監督、ロケーション、役者さんなのにつまらないものになったのか?そのポイントを分析していくのが、映画以上に楽しい時間です。監督が女性を描くことにそもそも興味がなかったのでは?主人公にどのような心情や体験があったのか、思わず同情してしまうところを、拾うべきではなかったのか?共感とは、起こった「こと」に対して湧き上がってくるものではなく、その背景を生み出す「主人公の心理や感情」に湧き上がるものではないか?現代の映画の作り方に、いろんなルールがあることが、つまらなくしてしまう一つの原因ではないか?などなど、まるでどこかの文学部セミナーでお話をするような感じです(笑)。

考えたら、大学時代も私は、友人のカリンちゃんと一本の映画を見て、あらゆる事を話していました。遊ぶお金なんてなかったから、見た映画について、語ることが遊びでした。そんな時間は、なんとも豊かなものでした。今は新しいものに簡単に触れられる時代。リモコン一つで、どんどこすばらしい映画にもドラマにも触れることができる。でもある意味、噛み締めて味わう時間は、なくなってしまいました。一本の映画が秀逸なものか、そうでないかは全く問題ではありません。つまらなければ、なぜそうなってしまったのかな?自分だったら主人公のどの部分を描くか?想像をしたりすることが、最高の贅沢であり、ある意味学びある時間でした。

一本の映画を見て、一本のワインを飲んで、面白かった、美味しかっただけではもったいない。なぜそんなものが生まれたのか?調べて、語ることに、本当の喜びがあるような気がしてなりません。ワインは造り手の価値観がそのままカタチになって現れる農産物だと思います。何がその人にとって冒険的か?何がエレガントか?何がさわやかか?そのステートメントとも言える意見を、言葉のないぶどうとボトルデザインに託し、世界に届けるのだから、これはもうチャレンジングなお仕事です。

今月はスペインのフアン・ヒルの赤が2本届けられます。シルバーラベルとブルーラベル。モナストレル100%(アメリカではマタロ)と呼ばれるブドウだけからできるシルバーラベルも、その深みと果実味が特徴的で、とても人気がある1本ですが、そのモナストレルにカヴェルネを加えて、冒険的な味わいがエレガントになったのがブルーラベルかと思います。Enjoy meeting new wines!

1.クレマン・ド・ロワール キュヴェ・サン・ジル フランス

造り手の『ドメーヌ・デュテルトル』は、レオナルド・ダ・ヴィンチが晩年を過ごしたことでも知られるアンボワーズ地域で1世紀以上に渡ってワイン造りを行う生産者だそう。歴史を味わう楽しさがありますね。

希望小売価格 2500円

2. ピクプール・ド・ピネ プレスティージュ フランス

フランスのラングドック地方で、ブドウ品種の名前がそのままAOCとなった、珍しい産地がピクプール・ド・ピネです。 この地方最古の品種、ピクプールブランから白ワインのみが作られます。とても親しみのあるフルーティなワインです。

希望小売価格 1950円

3.ファン・ヒル シルバーラベル スペイン

しっかりタイプのワインがお好きなら、こちらは本当におすすめな一本です。タンニンも柔らか、開けたてからもおいしいお家の定番となるべき一本です。フィラディスのワインでも最も人気がある1本だそう。
希望小売価格 2900円

4.ファン・ヒル  ブルーラベル スペイン

古樹のモナストレルに、同じく極低収量のカベルネ・ソーヴィニヨンとシラーをブレンドすることで生まれたのだとか。18ヶ月間バリックで熟成しているので香りも豊かです。

希望小売価格 3800円

https://firadis.net/item/78.html

 

スペイン赤に合う〜スペアリブと白いんげん豆の白ワイン煮

ファンヒルにピッタリ。シルバーにもブルーラベルにも、とても合います。この量を作って、小分けにして冷凍するのもおすすめです。

材料(4人分)

スペアリブ 800g

白ワイン 1カップ

にんにく 1かけ薄切り

玉ねぎ 1個

ケチャップ 1/2カップ

中濃ソース 1/2カップ

刻み唐辛子お好みで 小さじ1大さじ1

白うずらまめ(缶詰)400gのもの

ひよこ豆やキドニー豆でもよい

仕上げのこしょう 適宜

お好みでつけあわせのじゃがいも 4個

E.V.オリーブオイル仕上げに少々

あればパセリまたはイタリアンパセリ 少々

作り方

1.にんにくは薄切りにし、玉ねぎはくし切りにする。缶詰の豆以外のすべての材料を圧力鍋に入れて強火にかけ、沸騰したら圧をかけて弱火にし25分ほど煮る。普通の鍋なら水を2カップたし、コトコト3時間ほど煮る。

2.じゃがいもを付け合わせにするならばレンジで1個あたり3分ほど加熱して皮をむいておく。ペンネなどを付け合わせにしてもおいしい。最後に仕上げのE.V.オリーブオイルと、あればパセリ、イタリアンパセリなどを彩りに散らすとよい。

 

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行正 り香

福岡生まれ。広告代理店に就職しCMプロデューサーとして活躍。2007年に、広告代理店を退社。著書に、「だれか来る日のメニュー」、「おうちに帰って、ごはんにしよう。」「19時から作るごはん」など39冊がある。中国語版、韓国語版にも翻訳済。NHKワールドでは「Dining with the Chef」のホストを務め、世界に向けて日本料理をプロモートしている。

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